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コラム

ScomS NEWS LETTER

2008年1月6日

特定非営利活動法人科学と市民社会のコミュニケーション
理事長 北浜榮子(きたはまひでこ)

科学塾 in 関西に針路をとれ!
「女子高校生ジュニア科学塾2008 in 関西」へのお誘い

  将来、科学技術分野で働く研究者・技術者の不足が心配されています。その対策のひとつとして女性への期待が高まっていることはご存じでしょうか。科学技術分野への女性の参画は、「科学技術分野への男女共同参画の促進」および「科学技術分野における人材の養成」の両面において、大変重要な事柄です。
このようなことを念頭に置き、昨年3月、「女子高校生春の学校―ジュニア科学塾 2007 in 関西―」を開催しました。そして、今年も3月に、「女子高校生ジュニア科学塾 2008 in 関西」を開催します。

  昨年度の実施状況を、成果報告書から抜粋して載せます。垣間見てください。

  本事業「ジュニア科学塾」では、全員が実験をして実験のまとめを行い、ジュニア・サイエンスカフェという形で実験コースごとに発表するという高校生自らの主体的活動に重点をおいた。アンケートの結果をみると、実験したことへの満足度が最も高く、次いでサイエンスカフェの形で発表したことにも高い満足度を示していた。また、この事業に参加したことにより理工系への志望が強くなったことがよくわかる。
  大学の実験室での科学実験の体験とコンペ形式での発表でチャレンジングな雰囲気を作り出し、女子高校生のモチベーションを上げるための演出が成功したと思われる。また、サイエンスカフェの場では、女子高校生たちは、共同作業によってプレゼンテーションの方法を工夫して、おもしろく、分かりやすく説明することに予期した以上の力を発揮してくれた。
  本事業は関西で初めての試みであった。また、実験とサイエンスカフェを中心にしたプログラム編成も本邦初公開の試みであった。にもかかわらず、「大成功であった」と胸を張って断言したい。この二日間の貴重な実戦体験を糧にして、参加した女子高校生たちは夢と自信を持って進学し、社会で活躍してくれることと確信する。

  なお、首都圏近郊以外の女子高校生にとって、この種のイベント参加の機会が極めて少ない現状を考慮して、主な公募対象を関西地域の女子高校生としたのも、このイベントの特徴のひとつです。昨年は四国・中国地方からの参加もありましたので、今年は後援団体に、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県に加えて、愛媛県、徳島県の教育委員会にも入っていただきました。

  では、つぎに今年のご案内(概要版)をします。

文部科学省委託「女子中高生の理系進路選択支援事業」

日本では、理系分野で働く女性の研究者・技術者の比率は欧米に比べて著しく低く、理系学部や大学院に進学する女性の数も増加してきているとはいえ、まだまだ、少ない状況にあります。特に女子中高生が理系分野への進路選択を考えるとき困難な事情に接することが多く、理系学部への進学を躊躇しがちな傾向にあります。原因としては、(1)手本にすべき女性科学者の姿を身近に見ることができない、(2)自分の理系分野における適性がわからない、(3)大学卒業後の進路を具体的にイメージすることができない、などの理由を挙げることができます。このような事情を踏まえて、科学技術にかかわる分野でも女性が十分に活躍していける環境を整えようと、文部科学省は2006年度より女子中高生の科学技術分野に対する興味を喚起し、理系への進路選択を支援するため、委託事業を実施しています。

文部科学省ホームページ
「女子中高生の理系進路選択支援事業」 平成19年度採択機関の決定について

今年もSCOMSの取り組みが採択される

2007年6月1日、文部科学省委託「女子中高生の理系進路選択支援事業」の2007年度採択機関が発表されました。2007年度は27件の応募があり、9件が採択され、本法人から提案された取り組み「女子高校生ジュニア科学塾2008 in 関西」も昨年度に引き続いて採択されました。
2007度、採択された9つの機関名および計画名はつぎのとおりです。

機関名計画名
北海道大学”理科してみよう!”Be Ambitious, 女子中学生 <女子校編>
山形大学工学部We can do it!目指せ!理系ガールズ!
独立行政法人国立女性教育会館女子高校生夏の学校−科学・技術者のたまごたちへ−
東京大学海洋研究所輝け未来!オーシャンサイエンスで活躍する女性研究者たち
東京農工大学理系のお仕事聞いてみよう!体験してみよう! in 農工大
東京工業高等専門学校テクノ・ガールズ!−マンスリー・サイエンス・フェスタ in TOKYO-KOSEN−
山梨大学Do!サイエンス ガールズ
信州大学信州夏の学校「わたしもサイエンティスト!」
特定非営利活動法人科学と市民社会のコミュニケーション女子高校生ジュニア科学塾2008 in 関西

※取り組みの概要の詳細については、文部科学省ホームページをご覧ください。

「女子高校生ジュニア科学塾in 関西」の概要

「ジュニア科学塾」のキャッチコピーはつぎのとおりです。

科学のおもしろさを体験する「おとぎの国への一人旅」に出てみませんか。
未知の世界に挑戦するスリルとサスペンスがあります!

「ジュニア科学塾」は、科学・教育関係NPO団体、ミュージアムなどの科学コミュニケーターや小・中・高校、大学、高専など教育機関の理科教員の協力を得て、特定非営利活動(NPO)法人・科学と市民社会のコミュニケーションが提供する、社学連携型のジュニア対象科学教育プログラムです。

「女子高校生ジュニア科学塾2008 in 関西」は、女子高校生・教員・親を対象にした体験型・参画型イベントです。本イベントは、2008年3月15日〜16日に大阪大学吹田キャンパスで開催され、1泊2日の合宿形式で実施されます。第1日目の「科学実験講座」では、参加者を11のグループに分けて分野別に実験をしてもらい、その後、合宿場所のJICA国際センターでグループ別に実験発表のための準備をしてもらいます。そして第2日目には、各々の実験内容をコンペ形式の「サイエンスカフェ」で発表してもらいます。また、「サイエンスカフェの紹介・実演」や「女性科学者による講演・スピーチ」、ミニコンサート「科学と音楽のコラボレーション」、「出前ミュージアム」なども行われ、科学に対する興味・関心を喚起するアイデアメニューが満載です。参加者と大学生・院生を含めた開催者との交流会もあります。
なお、「科学実験講座」の11コースは昨年の6コースに比較して格段にコースの数が増えており、より参加者のニーズに応える内容になっています。

詳細は、ジュニア科学塾2008ホームページをご覧ください。

今年も、多くの女子高校生のみなさまがたのご応募をお待ちしています。

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